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天竜川流域エリア 2023.08.24

天竜二俣駅を出発。天竜ボート場まで行ってみた。

天竜川北上のサイクリングというと、ヒルクライムの上級者コースというイメージがありますが、今回は、天竜二俣地区の観光スポットをご紹介しながら、自転車旅を楽しんでもらおうと、走行距離25㎞ちょっとのルートを走ってみました。今回のサイクリングルートは天竜二俣駅から天竜ボート場

まずは、天竜二俣駅から出発。旧国鉄時代から使われている転車台は国の登録有形文化財で、映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』に登場しました。駅舎に掲げられた駅名『第3村』は映画のシーンを思いおこします。

自転車を走らせて立寄ったのが二俣城址。戦国時代には徳川氏と武田氏の攻防が繰り広げられました。1579年には徳川家康の嫡子、松平信康がここで自刃しています。NHK大河ドラマ『どうする家康』での記憶も新しいところ。二俣城址は、鳥羽山公園のなかにあり、自転車でここまで登るのは結構しんどい。登り口で自転車を降りて、散策してみてはいかがでしょう。

二俣の旧い街並みのなかに見えてくるのは、本田技研工業株式会社の創業者である本田宗一郎氏の『本田宗一郎ものづくり伝承館』。本田宗一郎氏は少年時代をこの地ですごしました。施設は国の登録有形文化財(建造物)に登録されている旧二俣町役場を改装した建物。入館料は無料です。館内には本田宗一郎氏のゆかりの展示物を見ることができます。これからの日本を背負って立つ若者を応援してくれていようです。

本田宗一郎ものづくり伝承館に隣接してあるのが、信康山清龍寺と諏訪神社。清龍寺の名前は徳川家康がつけたもの。その名のとおり、二俣城で自刃した松平信康公の菩提を弔った場所。二俣城址から自転車で5分かからない。ここで自転車をとめて坂を上ると、歴史を感じる山門がお出迎え。そこをくぐると清龍寺本堂、信康廊(霊廊)がある。そっと手を合わせましょう。

戦国の歴史を肌で感じ、街を流れる二俣川の清流をみれば、地元の子供たちが水遊びで元気な声ではしゃいでいる。気持ちよさそうだ。こんな風景を見ることができるのも、天竜二俣の良いところ。いいなあ。こういう昭和な風景。なんだか、ニッコリしてしまう。

遠州中央農協の天竜山の市からながめ、山の上に建つのは『秋野不矩美術館』。秋野不矩さんは二俣町出身の女流日本画家。秋野不矩さんの偉業を顕彰し、地域の芸術文化の振興を図る美術館として、平成10年4月に開館しました。自転車旅のなかに、ちょっと芸術を愛でる時間があるのも、いいと思う。

秋野不矩美術館から降りてきて、天竜川を北上するまえに小休止。遠州中央農協の『天竜山の市』をのぞくと、北遠地区の山の幸が豊富にそろっている。お茶、しいたけ、自然薯、山菜、etc。天竜川への自転車旅の帰りに、もう一度立寄って、旅のお土産に天竜の地場産品を選んでみてはどうかな。

地元のお土産のご紹介に、もう一軒。森のマルシェ『きころ』。ここは、天竜の地域活性コミュニティ施設。マルシェがあったり、施設内でテラスコンサートがあったり、スタッフ厳選のうまいもの市があったり、スタッフのみなさんも元気。

店内には地場産品が豊富に並ぶ。地域のイベント情報も充実しているから、旅の情報収集にいいね。

さて、二俣の街並み散策を終えたら、いよいよ天竜川を北上してみよう。国道152号を天竜川を左に見ながら北上。しばらく走ると、見渡す景色は山の緑と一面の川面と真っすぐのびる道路だ。ペダルをこぐスピードが否応なく上がっていく。風をきって走る。川面を渡る風が気持ちいい。

この道路標識、有名になったよね。国道152号と県道360号の分岐点があるので、左側の360号へ入る。そこで現れるのが、『月まで3㎞』。月って何?どんなところ。ワクワクしながら、自転車を走らせる。

天竜川を走っているといろんな橋がかかっている。ここはそのひとつ、伊砂橋。伊砂橋を渡って右へ。ここから天竜川は右手に見える。この右折からの道のりは、登り坂が続き、クネクネ道。がんばれ!3㎞で『月』まで行けるんだから。

我慢の3㎞を走って、『月』に到着。月の形の石碑にはこの月部落の由来が書かれているので、現地で自分の目で見てほしいな。

『月部落』には、天竜ボート場があり、毎年3月に行われる全国高等学校選抜ボート大会は『ボートの甲子園』と言われる。隣接する『天竜自然体験センター湖畔の家』は、豊かな自然環境のなかで団体合宿ができる宿泊施設で、サークルや部活動、企業研修などに使われている。この日は、ちょうどボート部の学生さん達が合宿練習をしていました。

ここまで自転車を走らせて、ちょっと休憩。天竜ボート場に腰をおろし川の水面をながめる。この静かな時間がなんとも贅沢だ。

ここから更に県道360号を北上して、横山地区へ入り、横山橋を渡って、国道152号を南下するというルートも考えましたが、今回はあくまでも無理をしない自転車旅が目的なので、来た道を戻ることにしました。戻りの県道360号はクネクネと下り坂。

県道360号を下っていくと、左手に『伊砂ボートパーク』の入り口があるので、急角度で入ります。見落とさないでね。細い自転車道を走ると、そのまま『夢のかけ橋』につながる。伊砂ボートパークと天竜相津花桃の里をつなぐ全長473.7mの橋を自転車で走る。船明ダム湖(天竜川)の上を飛ぶような感覚だね。

道の駅『天竜相津花桃の里』で、お食事タイムもいいし、地場産品のお土産を購入するのもいい。地元のお母さんたちの真心がこもったおもてなしの道の駅だ。コトコト7時間 野菜が溶け込んだ甘口カレー、とれたて山菜たっぷり蕎麦が人気。手作りのおまんじゅうをほおばるのもいい。

花桃の里を出て、国道152号を二俣の街に向けての帰路。船明ダムに立ち寄った。ここまで見てきた天竜川は、実はこの船明ダムによって貯められたダム湖。船明ダムの周りは運動公園になっていて、家族連れが遊ぶ姿ものどかだ。

船明ダム運動公園をあとにして、ふたたび国道152号を南下し、二俣の街へもどってきた。『天竜山の市』、『きろろ』に立寄り、お土産を購入。お疲れ様でした。

天竜林道を駆け上がるヒルクライムも天竜ルートの醍醐味だけど、二俣の街並みを散策して、天竜の自然の中で『のどかさ』をいっぱい感じる自転車旅はいかがでしょう。

今日の自転車走行距離は約24㎞。走行時間はゆったり走って2時間弱。二俣の街並み散策や美術鑑賞、休憩・食事タイムをふくめた自転車旅の時間は約4時間でした。